Akeytsu 感想と覚書

Category : Akeytsu, CGTips · by 7月 4th, 2015

Akeytsuという新開発の3Dアニメーション作成ソフトを触ってみたので、簡単に感想と覚書をまとめてみました。
(2015/8/13 少し内容を編集&追記しました)全機能の解説というよりは、他のツールにはあまり取り入れられていない機能などを中心とした、いわばAkeytsuの特徴をまとめたものですのでご了承ください。

公式サイト Nukeygara

リギングモードとアニメーションモード

cap150813aAkeytsuにはリギングモードとアニメーションモードの二種類のモードが存在します。この二種類のモードは画面右下のアイコンでいつでも切り替えられます。
それぞれの役割は以下のとおりです。

 


150704a リギングモードでできること
・ジョイント(ボーン)の追加
・ウエイトの設定
・IKの設定

 

 

 

 

 


 

アニメーションモード150704bでできること
・アニメーションの作成
(複数のアニメーションを作成可能)

 

 

 

 

 


リギングモードでできること

・ジョイントの追加

ジョイントの追加を行うには、ジョイントパネルのクリエイトボタンを押します。一度クリエイトボタンを押すとジョイントの追加ツールに入ったままになるので、連続してジョイントの追加を行うことができます。ジョイントの追加以外の作業を行う場合、再度クリエイトボタンを押してジョイントの追加ツールから抜ける必要があります。
ジョイントの追加ツールに入っていると、画面をクリックするとジョイントが追加できます。ジョイントの追加ツールではモデルの深度をみるため、ジョイントは自動的に奥行きの中間地点に追加されます。
ジョイント追加ツールに入っている最中は一時的に【V】キーを押すことで画面を回転できます。

ジョイントを削除するにはジョイントパネルのリムーブを使用します。
ジョイントの階層を組み替えるにはツリーパネルで階層を変えるのが簡単です。

・スキニング

スキニングを行うには、スキンパネルのバインドスキンを使用します。
ここでは選択したジョイントとモデルとのスキニングを行うため、スキニング対象となるジョイントをすべてと、モデルを選択してからバインドスキンボタンを実行してください。

・ウエイト設定

スキニングされたモデルをクリックすると、近くのジョイントが選択されます。クリック一つでジョイントを選択できるためジョイントの選択はかなり行い易いです。ジョイントの選択しやすさはアニメーションの作りやすさに直結しますが、この選択方法はアニメーションモードでも有効です。ジョイントの選択のしやすさはAkeystuの長所の一つです。ジョイントを選択する方法は、他にもツリーパネルやピッカーパネルを用いた方法もあります。

頂点の選択方法は、対象頂点をShift+ドラッグで囲います。頂点の選択を追加するにはCtrl+ドラッグ、頂点の選択を除外するにはAlt+ドラッグです。

ジョイントの選択情報と頂点の選択情報は完全に切り分けられているので、頂点の選択を保ったまま別のジョイントに切り替えてウエイトを設定できます。

ウエイト値を変更するにはスキンアトリエを使用します。【100】と書いてある大きなボタンの上で、上下にドラッグすることで選択頂点のウエイトを変更できます。
ウエイトには数値入力も可能です。
ブラシによるペイント機能は現行バージョンでは動作しません。

・スキン(ジョイント)のミラー

多くのツールではジョイントをミラーとスキンのミラーは別なコマンドですが、Akeytsuではひとつのコマンドでまとめて実行できます。そのため、片側だけジョイントの作成、ウエイトの設定を行ってからミラーするのが最も簡単な方法です。

スキニングパネルのミラースキンボタンを押すことでジョイントごとミラーされます。すでにミラーされたジョイントがある場合はウエイトだけがミラーされます。

AKeytsuはジョイント名でミラーの判別を行っています。ジョイント名に【Left_】や【_Right】などが含まれるとミラー対象と判断されます。

・IKの設定

IKの設定方法はとても簡単です。IKを設定したいジョイントチェーンの付け根を選択し、追加選択でジョイントチェーンの先端を選択し、IKパネルのボタンを押すだけです。
少しわかりにくい表現なので、脚を例に上げます。
➀腿を選択します
②足首を追加選択します
③IKボタンを押します
たったこれだけです!

IKは通っていますが、IKでコンストレインされたジョイントを選択しての操作も可能で、FKIKを混在させることができます(MayaでいうHumanIKに近いリグです)

アニメーションモード

・サイクルメーカー

Akeytsuの独自機能の一つで、ループアニメを簡単に作るための機能です。
歩きモーションのような左右を反転して繰り返す動きを、片側だけの作成することで、自動的に反対の動きも作成してくれます。編集の際には、片側だけを編集して反対側にコピーすることもできます。

・スタッカー

Akeytsuではアニメーションはスタッカーという機能でポーズ単位で管理されます。
スカッターはセルアニメで言うところのタイムシートによく似た概念です。あるポーズから次のポーズまで何フレーム(秒)で変化するかという情報で管理できます。そのためポーズのフレームを移動すると、全体的に移動します。

(タイムラインで移動させることで全体的な移動ではなく、そのフレームの位置だけを変える事もできます)

全体的な感想

Akeytsuのジョイント選択しやすさや、スピナーによる特定の軸だけの編集は行いやすく、(ほかのツールでスキニングやモーションに慣れていれば)初めて触って2~3時間でスキニングから歩きモーションの作成までできてしまいます。
未経験の方の場合でも、スタッカーの仕組みはセルのアニメーターにも理解しやすそうで、Mayaなどで1からスキニング、リグの作成、モーションの付け方を学ぶことに比べ、遥かに短時間でアニメーションを作れてしまうかと思います。

サイクルメーカーの機能はとても優秀で、特にゲーム開発ではたくさんのループモーションを作成する必要があるのでとても役立ちそうです。
またFBXは実は複数のモーションを持つことができるフォーマットなのですが、複数モーションに対応したアニメーションを作成できるツールは限られているため、なかなかその真価を発揮できません。おそらくMotionBuilderとBlender、そしてAkeytsuだけです。
ループモーションの作成のしやすさや、複数のモーションを持つことができるところからも、小規模開発のゲームに向いていると思います。
反面、高機能な3Dソフトに比べると、機能面で弱いです。IK以外のコンストレインはなく、アトリビュートを接続して単位変換のノードをつけることもできません。基本的にすべてのジョイントに直打ちに近いと考えていいでしょう。また、スキンの転送などもないので、開発規模が大きくなるほど非効率的になりそうです。

個人的に一番きついのは、ポーズのなかで特定のジョイントのタイミングだけを動かすことができないことです。FKの旨味は「しなり」を簡単に作れることで、各関節のタイミングをずらすことで魚の動きなども作れるのですが、おそらくそれができないです。

個人制作にはちょっとした敵キャラクターなどにいちいちリグを組んでいると時間もないため、積極的に使ってみたいと思います。

 

要望

Akeytsuはとても簡単に使用できるモーションツールなのですが、まだ機能が十分ではないために、他のツールで作業したほうが早そうな箇所がいくつかあります。これはとてももったいないので、追加してほしい機能をピックアップしました。

スキンの転送

Akeytsuはウエイトの設定は行いやすいのですが、スキンの転送機能がないため、スキニング後にモデルの修正を行った場合にはせっかく設定したスキニングを破棄するしかありません。Mayaなどでの作業に比べてとても効率が悪いので、修正後のモデルにスキンを転送する転送する機能がほしいと思いました。

ポリゴンのハイド機能

Akeytsuは基本的にはウエイトの設定は行いやすいのですが、入り組んだモデルのスキニングを行いにくいこともあります。一部のポリゴンを非表示にする機能をつけることでこの問題を解決できると思います。

キーフレームにタイミングをずらして登録する機能

Akeytsuではモーションはスタッカーに関連づいており、ポーズトゥポーズでアニメーションを付けることになります。一部のジョイントだけ、一部のアトリビュートだけ、キーフレームをずらすということができません。スタッカーに、ジョイントの値の情報だけを持つのではなく、どれくらいのフレームをずらすかというものを持てれば、最高のモーションツールになると思います。

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